第3章 設定部品
 
この章では、制御盤内の部品について説明されています。
通常の作業ではあまり必要ではありません。しかし、保守を行う場合、大変重要な章となります。
保守担当の方はぜひ目を通して下さい。
 
 タイマー
 
ここでの 文字囲み は、F800ロードセル指示計のキーを表しています。
 
 タイマーの種類
 
  1.盤内に設置のハードタイマー
  2.シーケンサーの内部タイマー
  3.ロードセル指示計のタイマーの3種類があります。
 

 
 盤内設置のハードタイマー
 
 
TAZ:オートゼロタイマー(0秒〜30分)
  マルチレンジ OMRON H3CR-A8(AC100V)「オートゼロ」の項で説明しています。
T11:補正タイマー(0.1〜0.5秒)1sec
T12:補正間隔タイマー(1秒)3sec
T14:排出タイマー(1〜3秒)3sec
T15:再計量タイマー(0.5秒)1sec
  T11〜T15は富士電機 ST7P-2(AC100V)3sec,1secを主体に設置しています。
  調整方法は「制御回路」の項を参照して下さい。
 
 オートゼロタイマー
オートゼロタイマーでは設定範囲が、0秒(毎回AZ)〜約30分と広いために、
マルチレンジタイマーが必要となります。
 
 その他のタイマー
排出等のタイマーは、パッカー制御盤では時間がほほ決まっていますので、レンジ固定の方がまちがいないと考えています。
 
 部品メーカーの併用
現在当社では、両タイマーでメーカーが異なるものを主体に使用しています。
これは、部品価格でこの状況になっています。

 
 2連筒以上のT11〜T15タイマー
 
計量機が2連筒以上になるとT11〜T15のタイマーは各機(A・B・C・D機)に関係してきます。
T11〜T15はシーケンサー内部タイマーに反映
(コピー)されます。
 
左図は2連筒の排出タイマーT14の例です。
外部ハードタイマーT14(排出タイマー時間)
をシーケンサー内部タイマーのT14、T24へ
コピーします。
3、4連筒は、下記タイマーアドレスにコピーされます
 T34:C機排出タイマー
 T44:D機排出タイマー
「シーケンサー内部タイマー」の項にも同様の説明があります。参照して下さい
 
 単能機のT11〜T15のタイマー
 
単能機の場合は、シーケンサー入出力点数の関係で省かれているタイマー(T11・T15)があります。
T11とT15は、機種や被計量物が変わっても設定値を変更する必要がないと考えています。
従って、シーケンサー内部タイマー(プロコンで設定値変更)に変更する場合があります。
2連筒以上の場合は、2カ所以上の設定値変更となるために、省くことはしていません。
 

 
 部品の互換性
 
  富士電機とOMRONの互換性






 
メーカー・部品名型式 ソケット金具
FUJI リレー2CHH52P-L TP58X1(金具付)
FUJI リレー4CHH54P-L TP514X1(金具付)
OMRON リレー2CMY-2N PYF08APYC-A1
OMRON リレー4CMY-4N PYF14APYC-A1
FUJI タイマー2CST7P-2 TP88X1(金具付)
OMRON タイマー2CH3Y-2 PYF08AY92H-3






 
 
補助リレーと上記タイマーのソケットとの互換性です。金具を考慮しなければ、タイマー・リレー間も互換性
があります。タイマーは通常2接点のものしか使用してませんので2Cのみ記述しています。
 
   互換性未確認部品



メーカー・部品名型式 ソケット
FUJI タイマーMS4SA(SC) TP48X
OMRON タイマーH3CR-A8 P2CF-08



 
お客様よりメーカー指定がある場合にのみ、MS4SAを使用する事になるので、現状では、メーカーOMRON指定の方が多く上表(ST7P-2)の互換を確認できています。
 

 
 シーケンサー内部タイマー
 
タイマー名称等は、電気図面シーケンサーラダー図を参照して下さい。
1.タイマー設定値が定数データ(OMRON:#****,三菱:K*.*,富士:データー有)のものは、
  プログラミングコンソール(プロコン)、パソコンローダーソフト等で変更します。
2.タイマー設定値がデーターメモリ(OMRON,三菱:D****,富士:空白)のものは、
  シーケンサー外部部品(F800キー操作および、盤内設置のハードタイマー)にて、設定値を変更します。
 
盤内設置ハードタイマーT11,T12、T14,T15とF800タイマー設定操作で、
設定できるシーケンサー内部タイマーは次の表のようになります。    
設定 A機 B機 C機 D機タイマー名称
F800タイマー判定時間  (A・B単独) T10 T20 T30 T40完了安定タイマー
ハードタイマー T11    (A・B共通) T11 T21 T31 T41不足補正タイマー
ハードタイマー T12    (A・B共通) T12 T22 T32 T42補正間隔タイマー
F800タイマー完了出力時間(A・B単独) T13 T23 T33 T43大投入タイマー (機能選択端子台※1)
ハードタイマー T14    (A・B共通) T14 T24 T34 T44排出タイマー
ハードタイマー T15    (A・B共通) T15 T25 T35 T45再計量タイマー
F800タイマー判定時間  (A・B単独) T17 T27 T37 T47不足安定タイマー

 
※1:後述の機能選択端子台、完了安定タイマーの項を参照して下さい。

 
 ロードセル指示計F800のタイマー
 
F800で使用するタイマー
 
設定番号06:タイマー(判定時間−完了出力時間)と
設定番号13:比較禁止時間を使用します。
シーケンスモードでは使用していませんので、
設定番号16,17,19の設定は、無効になります。
以下3個のタイマーが有効です。
 @判定時間(完了安定タイマー)
 A完了出力時間
 B比較禁止時間(ショック防止タイマー)
 
 判定時間
 この時間はシーケンサー内部タイマーに反映
 (コピー)されます。
 調整方法は別章「制御フローチャート」
 「完了安定タイマーの調整」の項を参照して下さい。
 
 完了出力時間
 この時間はシーケンサー内部タイマーに反映
 (コピー)されます。
 詳細はF800取扱説明書(単純比較の項)を
 参照して下さい。
 
 
   設定時間変更のキー操作方法
   タイマー変更  タイマー ----------------------> 変更->数字->・・・・・・ ->数字->登録
   比較禁止変更  設定モード->変更->->登録->-> 変更->数字->・・・・・・ ->数字->登録
 

 
   比較禁止時間
   大投入から中投入に状態変化(大投入完了)する場合、大投入の落差重量により重量表示値が安定しません。
   重量値は、図のように2地点まで一旦増加した後で、地点3にもどります。
   4〜6の間でも同様に、重力によるピーク値が出ます。
   この重量表示値が不安定な1〜3と4〜6区間で、投入停止のための重量比較をすると、逆に悪影響となります。
   この区間の、重量値と設定値比較を無視するためのタイマーが、比較禁止タイマーです。
   (当社では以前からショック防止タイマーと呼んでいます)