試運転
 
修理や調整及び点検が終わったら、必ず空運転及び実流運転でテストを行い、動作の確認が必要です。
 
 
 空運転
 
空運転では、制御操作盤を操作する人と、機械側で分銅を乗せたり動作を確認する人が必要です。
自動包装機が設置されている工場では、自動包装機は停止して作業を行って下さい。
 
 注意 空運転は機械の扉を開いた状態で行います。絶対に機械の中に手等を入れないで下さい。
    制御操作を行う人と、機械側の人は確実に連絡を取り合って作業をお願いします。
 
以下に3段投入での空運転の方法を説明します。2段投入では中投入の部分を省いて下さい。
ロードセル指示計の設定用語は、ユニパルス社製F800を用いて説明します。
設定例では、分銅乗せ台1個1kg、分銅1個10kgの物を使用し、合計22kgとします。
 
1.分銅乗せ台と分銅を各2個準備して下さい。
  分銅は、合計重量が通常の設定値と同じか、それ以下の物を準備します。
2.定量・大投入・定量前(中投入)・落差を設定します。
  定量を、分銅合計値と分銅乗せ台を合わせた重量より、少し小さめ(20〜30g)に設定します。
   例 21.98とする。
  大投入の設定を、分銅2個分より少し大きめに設定します。
   例 20.10とする。
   * 大投入の完了信号が、分銅乗せ台の重量で発せられる。
  定量前(中投入)の設定を、分銅1個分より少し大きめに設定します。
   例 10.10とする。
   * 中投入の完了信号が、分銅乗せ台と分銅1個を合わせた重量で発せられる。
3.始動スイッチを入れます。(レベル計スイッチがある場合、それを「切」にしてから)
  大投入状態となっているか確認して下さい。回転部がある場合、回転方向も同時に確認して下さい。
4.分銅乗せ台を左右、または前後に乗せます。
  中投入状態となっているか確認して下さい。
5.分銅を片側(できればハイローターと反対側)乗せます。
  小投入状態となっているか確認して下さい。
6.もう1個の分銅を反対側へ乗せます。
  計量完了となるか確認して下さい。
7.確認が済んだら、始動スイッチを切り、分銅を降ろし排出釦で排出して下さい。
8.次に補正動作(インチング)の確認をします。機能選択端子台(投入終了ラッチを短絡)します。
   * 補正機能が備わっていない機種もあります。仕様書で確認して下さい
  上記空運転を繰り返し、6.で乗せた分銅をすぐ降ろして下さい。(計量完了となる前に)
  これで補正動作(インチング)に入ります。動作確認して空運転を終了します。
  機能選択端子台を元に戻して下さい。(解放)
  * 2連式以上の場合、上記工程を各機ごと行って下さい。

 
 補正タイマー(インチング)調整
 
空運転が済んだら、補正量の調整を行います。
自動落差補正機能が備わっている機種では、落差補正をOFFにして下さい。
 
1.実流運転を開始します。
2.落差を極端に大きくして下さい。(例 正規の設定が150gの場合、300gに設定する等)
  これで補正動作に入ります。
  1回の補正で20g〜40g重量が増すように、補正タイマーを設定して下さい。
  詳しくは、別章「制御盤」の「盤内部品」「タイマー」の項を参照して下さい。
 
  * 2連式以上の場合、上記工程を各機ごと行って下さい。
 
以上で空運転、及び補正量調整は完了です。設定を元に戻すのを忘れないで下さい。
実流運転において、能力、精度が以前より(修理、点検前より)落ちた場合、設定の変更が必要です。
再設定は、別章「大・中・小投入設定方法」を参照して下さい。