スクリューフィーダー
スクリューフィーダーの形状や構造は、用途によりいろいろな種類があります。
設置されている機器の構造をパーツリストにより確認し、点検、調整、部品交換を行って下さい。
点検や清掃により不具合が発見された場合、そろそろオーバーホールの時期と考えた方がよいでしょう。
また、軸受け等の保守につては別項「保守一般」に記載されています。そちらも併せてお読み下さい。
摩耗性のある製品を扱う場合の注意
磨耗性のある製品を扱う場合、羽根や軸の磨耗に十分注意して下さい。
このような製品では軸とシールの間に異物が混入し、シール材及び軸が削られます。
摩耗が進行すると原料漏れにつながるため、早期の補修が必要となります。
軸の補修は、磨耗部に溶接にて肉盛りを行い、旋盤加工を施します。
軸の摩耗が短期間に発生する場合、上記補修では費用が嵩みます。シール材を使わず、軸受けのみの構造とならないか検討して下さい。(油分を嫌う製品では不可)
軸受けのみの構造では、軸受けユニットの交換時期は早まりますが、総体的な補修費用は節約できる場合があります。ただし、この構造は定期点検、軸受けなどの部品交換を怠ると駆動モータ等の損傷につながります。
構造の違いによる点検
以下に構造別に説明を行います。設置機器に照らし合わせ、お読み下さい。
軸受け部のシールにグランドパッキンが使われている
摩耗性の無い微粉用に設計されています。磨耗性のある製品を扱う場合、特に注意して下さい。
シール部の点検を中心に行い、漏れが発見されたらテフロンカラー及びグランドパッキン等のシール材の交換を行って下さい。
軸受けユニットは製品と直接接触しないため長持ちしますが、点検は怠らないようにして下さい。異音や錆が発生している場合、交換して下さい。
軸受け部のシールにテフロンカラーが使われている。これには2種類の軸受け構造があります。
軸受けがケーシング端面に直接取り付けてある
摩耗性が無く微粉でもない製品用です。磨耗性のある製品や微粉を扱う場合、特に注意して下さい。
テフロンカラーが磨耗すると、原料が軸受けに到達し軸受けを傷めるため、定期的に軸受けの内側を点検する必要があります。(軸受けを取り外す必要がある)
軸受けユニットは異音や錆が発生している場合、交換して下さい。
テフロンカラーのみがケーシング端面に取り付けてある(軸受けはブラケット取付)
摩耗性が無く微粉でもない製品用です。磨耗性のある製品や微粉を扱う場合、特に注意して下さい。
主にシール用テフロンカラーの点検、交換でよい。
軸受けユニットは製品と直接接触しないため長持ちしますが、点検は怠らないようにして下さい。異音や錆が発生している場合、交換して下さい。
軸受け部のシールが無い(ケーシング端面に軸受けが直に取り付けてある)
コストダウンやスペースが無い場合使用されます。
この構造は軸の摩耗には強い構造です。しかし、軸受けユニットにとっては製品と直接接触するため、極めて過酷な条件となります。定期点検や軸受けユニットの交換を怠るとチェーン、スプロケット、駆動モータ等の損傷につながります。
特に、磨耗性のある製品を扱う場合、早め早めに軸受けを交換して下さい。
出口にカットゲートがついている
図はカットゲートが別体式となっていますが、スクリューケーシングと一体式の場合もあります。
カットゲート部の主な点検箇所は、弁軸受け部およびシリンダースピードです。弁軸受け部のブッシュの磨耗は無いか、溶接部に亀裂は無いかよく点検して下さい。
シリンダーブラケット部(取付座)も忘れずに点検して下さい。
詳細は別項の「カットゲート」を参照して下さい。
症状の違いによる点検
能力または計量精度が落ちた
製品の変更はしていないのに能力や計量精度が落ちた場合、羽根への付着や変形が考えられます。点検清掃を行って下さい。また、カットゲートが装備されている機種の場合、弁の開閉スピード等も点検する必要があります。
異音がする
異音の発生は、機械にとって致命傷となる場合が多々あります。
この様な場合、至急、運転を停止して点検を行って下さい。
調整
スクリューフィーダーでの調整箇所は、駆動部のチェーンとカットゲート部だけです。
チェーンの調整方法は、別項の「保守一般」、カットゲートの調整は「カットゲート」を参照して下さい。
スクリューフィーダー部品図
ここに描かれている部品はスクリューフィーダー機構の一例です。
別添の「パーツリスト」がある場合、そちらを参照願います。
下記リストを左に表示する
1.テール側サイドカバー | |
2.パッキンケース(大) | 3.パッキンケース(小) |
4.カラー(大) | 5.カラー(小) |
6.中間リング (大) | 7.中間リング (小) |
8.グランドパッキン | 9.グランドパッキン |
10.パッキン押さえ | 11.パッキン押さえ |
12.軸受け取付座 | |
13.軸受ユニット | 14.軸受ユニット |
15.スプロケット | 16.スプロケット |
17.上部ケーシング(大) | 18.上部ケーシング(小) |
19.スクリュー羽根軸 | 20.スクリュー羽根軸 |
21.シリンダーブラケット | 22.シリンダーブラケット |
23.エアーシリンダー | 24.継ぎロッド |
25.防塵板押さえ | 26.防塵板 |
27.ジョイント | 28.ワッシャー |
29.割ピン | 30.ピン |
31.スクリューケーシング本体 | 32.カラー |
33.カラー | |
34.軸受ユニット | 35.軸受ユニット |
36.盲カバー | 37.盲カバー |
38.大投入弁 | 39.ブッシュ(MS-2009-A) |
40.小投入弁 | 41.ブッシュ(MS-2009-A) |
| 42.スペーサー(MS-2009-B) |
43.投入弁主軸 | |
44.スピードコントローラ | 45.スピードコントローラ |
46.ギヤードモータ | 47.ギヤードモータ |
48.スプロケット | 49.スプロケット |
定期交換必要部品
4、5、32、33番のカラー、39、41、42番のブッシュ、8、9番のグランドパッキン、及び
26番の防塵板、29番のピンは1年毎の交換を奨めます。
上記交換作業を行う場合、割ピンは新品を使用して下さい。
軸受けユニットは2〜3年毎(粉塵が多い場合)に、又は異音がでてきたら交換して下さい。
エアーシリンダーは5年毎程度で交換した方が良いでしょう。
磨耗性のある製品を計量している場合、スクリュー軸のグランドパッキン部が磨耗することがあります。
磨耗が発見された場合、溶接での肉盛り・旋盤加工を行って下さい。
スクリューフィーダー分解時の注意
スクリュー羽根は、巻き方向がA機とB機では逆になっています。分解時に混同すると区別が付かなくなる
ことがありますので、A機とB機は別の場所に置く等、混同しないように注意して下さい。
カットゲート部の分解方法は、別項カットゲート分解方法を参照して下さい。