付録G ホッパースケール
 
 不良ロードセルを探す
 
ホッパースケールの場合ロードセルが不良であることが分かっても、通常のスケールでは4個使用されていますので、そのうちの不良品1個(通常4個中1個しか故障しない)を探す必要があります。
表示がふらついている状態で、和算箱の蓋を開けてロードセル信号線を1つづつ外します。
この場合は、電源は切りません。ロードセル印可電圧はDC10〜15V程度です。触れても問題ありません。
印可電圧(+INと-IN)を短絡(ショート)させないで下さい。DC10V電源が壊れる可能性があります。
印可電圧は、制御盤→6芯シールド線→和算箱基板→ロードセル4芯シールド線に供給されていますので、外してしまったロードセル線の(+INと-IN)が短絡しても問題ないわけです。電圧の掛かっている線および端子の短絡を避けて下さい。
まず、重量表示がふらついているのを確認(どの程度重量値がふらついているか例えば30.0〜45.7kgとか記録を取っておくと尚いいです)します。
上図@のようにロードセルの4芯シールド線を1本外します。
どのセルでもいいのですが、上図(左側)では最右側ロードセルの線を外した状態を示しています。
@状態で、重量表示のふらつきが止まったか否かを見ます。重量値データーは関係ありません。
外したロードセルが他の3つのロードセルより、負荷が軽い場合は、+重量が出ますし、逆に負荷が重い場合は−重量値が出ます。
ここでの問題は、F252・F800等の指示計では、表示が「−LOAD」になった場合です。
「−LOAD」の場合は、表示のふらつき状態を確認できませんので、あらかじめ加重を掛けた(分銅を乗せる・F252の場合はゼロ調整用DIP-SW操作)状態で、線をはずす必要があります。
@で表示が止まった(安定した)とします。開放したロードセル線を基板端子に配線(元に戻す)して下さい。
戻したら、表示がふらつく(元の重量値ふらつきに戻る)はずです。これが確認できれば@ではずしたロードセルが不良である事が分かります。
@状態で、表示がふらついた場合は、不良セルではないものを外した(症状が治らないのですから)わけです。
@電線を元の配線に戻しAの線を外します。「上図・右側参照」
また、@で外した時は表示が安定したが、元の接続に戻しても表示が安定している場合があります。
これは、線を外す作業中にロードセルの不良の症状が消えてしまった場合です。
ロードセルの不良症状が軽い場合、表示がふらついたり、安定したりします。
このような場合、また表示がふらつくのを待たない(全ロードセル接続のまま)といけません。そして表示がふらつき出したら@作業を行います。
Aでも@同様ロードセル線を外したり、つないだりして、重量表示のふらつきからロードセルが不良か否かを判断します。
この操作を下図のように最後(B〜C)まで行います。
不良ロードセルがあれば、必ず@〜Cの間で、不良ロードセルの判断(どれか1個)ができるはずです。

 ロードセル指示計F252での「−LOAD」の解消
 
ゲイン調整(S4)が変更されてしまうと、分銅較正しか、元に戻す方法がありません。特にFINEボリュームは、動かさないで下さい。
−LOADの解消には、ゼロ調整スイッチ(S5)を使用します。上に上げると−マイナス重量になります。
上向きのスイッチのみ、左側から順番に下げて「−LOAD」を解消して下さい。
また、変更前の状態を記録するか、スイッチを下げた時に、-LOADのままであれば又上げて、どれか1つだけ下げるようにします。

 
 ※不良ロードセルを新品に交換する場合※
上記操作で不良ロードセルが確定できると、新品のロードセルと交換する事になります。
とりあえずは、借り配線で接続する事をお勧めします。(もし間違っていた場合を考えて)
フレックス内を通さずに、和算箱の蓋を開けたままの配線です。それで一週間程度様子を見た方がいいと思います。
(古いロードセルは撤去せず架台等そこらへんに縛っておく、和算箱も開けたままにしておく)

トラブル実例(処理失敗例1)