第2章 パネル部品
この章では、制御盤表面の機器について説明します。
ロードセル指示計
重量表示器には、ユニパルス社製のロードセル指示計、型式F800(以後 F800と記載)
が使用されています。以下はF800の大まかな説明です。詳細は別冊ユニパルス社の「F800取扱説明書」を参照して下さい。
F800の投入制御信号
投入制御用信号は、 F800から出力されます。以下は3段制御の場合を示します。
大投入停止信号は、定量設定値から大投入設定値を差し引いた値に重量が達した時、出力されます。
大投入完了=定量−大投入設定値
中投入停止信号は、定量設定値から定量前設定値を差し引いた値に重量が達した時、出力されます。
中投入完了=定量−定量前
小投入停止信号は、定量設定値から落差設定値を差し引いた値に重量が達した時、出力されます。
小投入完了=定量−落差
F800のキー操作
この項では、運転時に必要と思われる、F800の主な操作を説明します。
* 操作手順書におけるキー操作の詳細になります。
正味重量と重量値ゼロの確認
1.正味表示を確認します。
表示が総重量の場合、以下
のキー操作を行って下さい。
総重量/正味キーを押す
↓
正味に変わります
2.重量表示が 0kgか確認。
0で無い場合0kgにします。
風袋引キーを押す
↓
0kgになります。
注意 風袋引 キーは常時有効ですので、計量投入中には絶対に押さないでください。
銘柄の設定
銘柄を05に設定するキー操作を説明します。
図中の操作1〜5は、キーを押す順番を示しています。

操作1.
銘柄 キーを押す
銘柄の設定モードである事を示す
銘柄 ,設定 が点滅します。
銘柄の現在のデーターが重量表示部の 右端に、ポップアップします。
操作2. 変更/登録 キーを押す
ポップアップされたデーターを
変更するモードに入った事を示す
10の位のデーターが点滅します。
設定 が点滅から点灯に変化します。
操作3. 0 キーを押す
点滅部10の位に0が入力され、
点滅部が1の位に移動します。
操作4. 5 定量前 キーを押す
点滅部1の位に5が入力され、点滅部 が再度10の位に戻ります。
データーは05になります。
数字データーは入力されると、点滅部 の位が一つ下がり、最下位の位を入力 すると、最下位の位→最上位にもどり ます。数字データーの入力ミスは、何 度でも入力しなおす事ができます。
操作5. 変更/登録 キーを押す
銘柄5の設定が呼び出されます。
重量値表示部は、初期状態の重量表示値に戻り、銘柄は05に設定されました。
銘柄 点滅が終了し、設定 が消灯します。銘柄のデーター表示が、5になった事を確認して下さい。
操作1、2での入力ミスは、 クリア キーを押して初期状態に戻り、最初からやり直します。
定量設定
定量を20.070kgに設定するキー操作を説明します。
図中の操作1〜7は、キーを押す順番を示しています。

操作1.
7 定量 キーを押す
操作2. 変更/登録 キーを押す
操作3. 2 落差 キーを押す
操作4. 0 キーを押す
操作5. 0 キーを押す
操作6. 7 定量 キーを押す
操作7. 変更/登録 キーを押す
上記キー操作の間、上部表示部分に注目して下さい。銘柄の設定で説明したのと、同様の表示をします。
銘柄と定量の項目が入れ替わるだけで動作(点滅・点灯)は、同じです
定量のデーターは5桁ですが、下位桁が同じ場合、最後まで数字データーを、入力する必要はありません。
目的のデーターになったら 変更/登録キーを押します。
又、上位桁が同じ場合は、操作3〜5の数字キーを押す変わりに > キーを3回押す方法もあります。
過量・不足・大投入・定量前・落差・ゼロ付近・タイマーの設定
過量・不足・大投入・定量前・落差・ゼロ付近・タイマーの設定は、上記「@ 7 定量 キーを押す」の操作が、それぞれのキー 4 過量 1 不足 8 大投入 5 定量前 2 落差 3 ゼロ付近 6 タイマー になります。
9 風袋設定は、本機では使用しませんので、関係ありません。
操作3〜6のデーター入力は、各設定で、おのおの桁数がちがいます。少数点の位置に注意して、入力して
下さい。
操作1後に、重量表示部にポップアップするデーターの左側に出る数字、定量設定時は07が表示されますがこれは、設定モードと設定キー番号を表しています。
その他の設定
前述の説明以外の、主なキー操作を列挙します。
自動落差補正
ON |
自動落差補正
OFF |
自動落差補正
規制値 |
分銅較正の
ゼロ較正 |
分銅較正の
スパン較正 |
累積、回数
のクリア |
設定モード
↓
変更/登録
↓
2 落差
↓
変更/登録
↓
3 ゼロ付近
↓
変更/登録
↓
>
↓
1 不足
↓
変更/登録
↓
クリア *1
AFCが点灯
|
設定モード
↓
変更/登録
↓
2 落差
↓
変更/登録
↓
3 ゼロ付近
↓
変更/登録
↓
>
↓
0
↓
変更/登録
↓
クリア *1
AFCが消灯
|
設定モード
↓
変更/登録
↓
1 不足
↓
変更/登録
↓
8 大投入
↓
変更/登録
↓
通常弊社では
100gにセットし
ています。
変更が必要な
らデーターを入
力します
↓
変更/登録
↓
クリア *1
データーの 0 は
自動補正 OFF
|
ファンクション
↓
変更/登録
↓
1 不足
↓
変更/登録
↓
ゼロ調整
↓
変更/登録
↓
クリア *1
上記ゼロ較正
を行うと
自動的に、
総重量表示に
なりますので
必ず、正味
にして下さい
|
ファンクション
↓
変更/登録
↓
1 不足
↓
変更/登録
↓
1 不足
↓
変更/登録
↓
20.00kgを
設定 *2
↓
変更/登録
↓
クリア *1
上記分銅較正
を行うと
総重量表示に
なります。
必ず、正味
にして下さい
|
ファンクション
↓
変更/登録
↓
0
↓
変更/登録
↓
9 風袋設定
↓
変更/登録
↓
クリア *1
累積,回数の
データーがゼロに
なります。
銘柄ごとのクリ
ア操作です。
|
| |
※1 最後の クリア キーは、 設定 表示がまだ残っているため、これを消すために行っています。
※2 20.00kgの場合。
F800のデーター
累積データークリア・回数リセット
F800のキー操作「その他の設定−累積・回数クリア」の操作で、図の@〜Aのデーターがゼロクリアされます。
F800の累積・回数データーは銘柄ごとに記憶されます。
ですから、銘柄を変更する事で、現在の累積値を保管する事も可能になります。
また、銘柄切替を行ったら、累積・回数のデーターを確認して下さい。前回のデーターが残っている場合、ゼロからはじめたつもりが、そのデーターに加算されて、回数・製造量の正常なデーターが取れなくなります。
F800の回数・累積データーを必要としない場合は、累積クリアの操作は必要ありません。
データーがオーバーフローしても動作には影響ありません。
累積クリア回路
2連筒以上の計量機ですと、各々(A機・B機)のF800についてキー操作をしなくてはなりません。
そこで、シーケンサー入出力に余裕のある制御盤には、累積クリアの操作回路を作成しています。
2連筒の制御盤を例に(図にして)説明します。
パターン1

A機電源「切」後、A機排出を
3秒以上押す。
※B機電源は「入」の必要あり
パターン2

B機電源「切」後、B機排出を
3秒以上押す。
※A機電源は「入」の必要あり
各機の制御電源スイッチをどれか一つだけ「切」にします。3連筒なら電源二つが「入」一つが「切」の状態にします。「切」にした計量機の排出ボタンを3秒以上押して下さい。
回路が組み込まれていれば、全機同時にクリアされます。3連筒であれば、3通りの操作があります。
単能機の制御盤の場合この回路は、組み込まれない場合が多い。
累積データー・回数の加算(ADD信号)とSIFプリンタ
F800は、外部(CONTROLコネクタPIN=8)からの積算指令と、内部での自動積算指令(設定21)による2種類の加算方法があります。現在の制御盤は、外部指令を配線して外部加算を標準としています。
外部積算指令を配線するようにしたのは、(1996年頃)からです。それ以前の制御盤では、自動積算になっています。

F800は、標準品でUNIPULSE社シリアルインターフェース(SIF)を搭載しています。
従ってこのインターフェース(SIF)を使用する同社(UNIPULSE社)のプリンタは、簡単に接続できます。
左図の端子に2本電線を入れるだけです。
当社では、検収運転時等にSIFプリンタを接続して、
計量重量データー取りに利用しています。
自動積算のタイミング
左図完了信号出力時(表示点灯)に
■回数・累積データの加算
■SIFインターフェースに自動印字指令出力
■自動落差補正(AFC)の計量値取得
等を行います。
大投入ショックと禁止タイマー
「ショック切れ」状態になると、完了信号を出力。
従って、異なる重量を印字・加算します。
これは、禁止タイマーにて修正できます。
落差設定不適
落差設定値が不適当(データー値が大きすぎる)場合
正量重量にならず、不足重量になります。
不足補正投入は行われますが、補正投入前の重量値を
印字・加算します。
外部積算指令(ADD信号)のタイミング

単能機の場合は、計量完了表示点灯時に外部積算指令
をF800に対し出力します。
2連筒以上の計量機の場合、連続運転中は計量完了
した時に積算指令が出力されるようにみえますが、
内部では、排出待ちに選択されたものに対して積算指令が出力されています。
左図の3連筒の場合、作業開始時やオートゼロ後の再スタート時は、ABC機同時に計量を開始しますので、
計量完了もほぼ同時になります。
この場合、一番はやくB機が完了したとすると、B機に外部積算指令が出力されます。
B機が排出終了した時点で、C機完了が排出待ちに選択されますので、この時点でC機に外部積算指令が出力されます。同様にA機が排出待ちに選択された時点で、A機に外部積算指令が出力されます。
同タイミングで、盤面のトータルカウンタも加算(+1)しています。
F800外部積算指令(ADD信号)トラブル
1999年に外部積算指令での、未加算のトラブルが2件発生しています。いまのところ
原因はわかっていません。
対処としては内部自動積算に加算方式を変更するしかありません。
自動積算の場合、前述のように補正投入前重量を印字しますので、ご了承下さい。
F800設定21番の最左のデーターを0→1にします。
21 0111
この設定変更だけでは、自動積算指令と外部積算指令の二つの信号から2回データーが
加算・印字されてしまいます。制御盤のADD信号線を開放(はずす)して下さい。